読んだ本のサマリー

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 要約③

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 

ある研究では組織の中で「提案をすること」を率先して行えば給料があがったり、昇進する確率が下がったという結果がでている。

ノースカロライナ大学の実験で地位のない人間が権力を行使しようとすると非難されることがわかっている。

さらに相手から尊敬されていない、信頼がないとわかっている状況では、相手に否定的な態度や考えをもってしまうということがわかっているため、

提案をする → 意見が否定される → 否定された相手について批判的になる → それが相手に伝わる → ますます否定的になる。

という悪循環にはまりやすいので注意が必要。

まずは組織の中で、信用を得るために行動し地位を確立させてから提案をしていくことが重要。

女性、黒人等マイノリティーと考えられがちな立場でも一度、「地位」を確立してしまえば、誰もが発言に耳をかたむけるようになる。

地位は努力して勝ち取るか、与えられるかしかない。

まずは自分の現状を正確にとらえ地位を得るために行動するべき。

自ら弱点をさらけ出すことで逆に、相手への印象をよくする「サリック効果」というものがある。

①弱点を前面に出すことで相手の警戒心がやわらぐ

プラスの面だけを強調すると”売込み”の印象を与えてしまう。

欠点に正直になることで聞き手の評価の仕方が変わることがある。

②あえて否定的な意見をいうことで頭がいいと思わせることができる。

心理学者の実験で同じ本の感想・書評でも批判的な書評の方が14%も頭がよさそうだと感じさせることがわかっている。

悲観的なことをいう人は頭がよく見え、逆に肯定的な意見を言う人はバカに見える。

③信頼性が増す

弱点を率直にh話すことで、強みも強調される

悪い部分を伝える気があるなら「よい部分もたくさんあるに違いない」と考える。

④アイデアそのものを好意的に評価してもらえる

人は簡単に思いつくものほど一般的で、重要なものだと認識する。

深刻な問題を多く上げることで、問題が簡単なものではなくなり逆に重要ではないと思わせることができる。

アイデアを相手にしみこませるために何度も発言をしよう。

ハッピーバースデー等誰もが知っている曲をテーブルをたたくリズムだけで他人に伝えることは難しい。

スタンフォード大学の研究では演奏者は聞き手にわかってもらえる確立を50%と予測したが、実際の正答率はわずか2.5%だった。

自分のアイデアを他人に伝えるのがむずかしい理由はここにある。

自分の頭の中ではアイデアという曲がなっているため、相手も同じだと勘違いをしてしまう

本当に伝えたいなら、いったん発言しそのあとに時間をおいてまた話す、をくりかえす必要がある

人間はある対象にくり返し接するほど、その対象を好きになるということがわかっている。

音楽では、同じ曲を何度も聞くとイライラしてくることがあるが、発言に限って言えばどれだけ繰り返しても問題ない

満足のいかない状況に対する対処法は

「離脱」、「発言」、「粘り」、「無視」の4つしかない

  • 離脱:仕事を辞めるなど、状況から身を引く行為
  • 発言:上司に意見を述べたりなど、状況を改善しようと行動すること。
  • 粘り:不満を抱きながらも我慢し現状を受け入れること
  • 無視:クビにならない程度に仕事をするなど、現状にとどまりながら行動しないこと

どれを選択するかはコントロールコミットメントにかかっている。

  • コントロール:状況の決定権が自分にあるという気持ち
  • コミットメント:状況に関与したいという気持ち

現状を変えられないと考えている場合

コミットメントなし → 無視

コミットメントあり → 我慢

現状を変えられると考えている場合

コミットメントなし → 離脱

コミットメントあり → 発言

つまり発言をしようと考えるときは、コントロールあり、コミットメントありの状況のみ。

そして会社組織の中ではコミットメントのありなしは上司によるところが大きい

親しみやすい上司よりも、気難しい上司に相談する方がうまくいく可能性が高い。

親しみやすい上司は対立を避ける傾向があり、批判的な意見に対して敬遠しがち。

逆に、現状に異議を唱えたことのある管理職は新しいアイデアに対して寛容という研究結果がでている。

状況を変えるためには「発言」か「離脱」しかない。

ただ、離脱には欠点があり、環境は変わるが結局は現状維持を許す場合もあるため注意が必要。

ベストなのは「発言」をしつつ、リスクの分散を行い、いつでも「離脱」できる状況をつくることである。

長期的に後悔することは、やって失敗した後悔より、やらなかった後悔ということが研究でも証明されている。