読んだ本のサマリー

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 Part5”誰と組むか”が勝敗を決める 要約 

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 

横方向の敵意に注意

”似た者同士”だからこそ敵意を抱く

目的は同じでも、過激なグループは主流なグループを「偽物」、「裏切り者」として見下す傾向がある。

例えば、ある研究ではウィーガン(動物性のものは全く食べない完全菜食主義者)は、ベジタリアン(菜食主義だが乳製品や卵は食べる)に対して逆の3倍もの偏見を持っていることが明らかになった。

別の研究ではもっとも保守的な政党は、革新派の政党よりも、一番自分たちと似ている政党に対して反感を持つことがわかっている。

仲間を作るためには、実は目的よりも”手段”が共通していることが重要

スタンフォード大学の研究で被験者を3つのグループに分け、カナダ国歌を異なる状況で聞いてもらう実験がある。

グループ1:曲が流れている間、歌詞を黙読してもらう。

グループ2:流れている曲をみんなで一緒に歌う。

グループ3:歌は歌うが1人1人が別のテンポで歌う。

このグループにお金を渡し、グループで分け合う確率を調べたところ、グループ2のみんなで歌ったグループがかなり高い確率で山分けしていた。

活動の理由は違っていてもグループの活動方法が同じであれば、互いに親近感を持つ

ソフトな過激派を目指そう

オリジナルなアイデアは常識を根底から覆すような過激なものが多く、理解されづらい。

そのため、目標を掲げて協力を得ようとするより、目標の最も過激な部分をあいまいにし、実現できそうだと思わせるテクニックが必要。

例えば、「なぜ」を「どのように」に変えるだけで表現はやわらかくなる。

小さい要求を承諾させてから、大きな要求を提案する方法も使える。

過激な姿勢にこだわりを持ちすぎすぎると協力してくれる人がいなくなってしまい、失敗する可能性が高い。

味方でも敵でもない人はどうするか

あるときは協力してくれたり、またあるときは邪魔をしてきたりというどっちつかずの人については、関わるとデメリットの方が大きいという研究結果がでている。

このような人と関わるよりは、敵を味方にするように動いた方が有益である。

最初は反発していたが徐々に仲間になってくれた人こそ最高の仲間となる。

発想の出発点こそ重要

発想の出発点は画家がキャンパスに描く最初の一筆と同じ。

最初の一筆で絵がどうなるかが決まってしまうように、アイデアにも独創的な出発点が必要不可欠。

例えば映画のライオンキングはあらすじがシェイクスピアのハムレットを連想させるが、ライオンという出発点からでたアイデアなのが良かった。

逆にハムレットを出発点に考えていたら、絶対に出てこなかったアイデアである。

ただ、奇抜なだけではそれで終わってしまう可能性があるため、工夫が必要。

奇抜なものを出発点としたうえでそれを日常のなじみのあるものに落とし込んでいくという作業をすることで、最も確実なアイデアとなる。

相手との共通項を探そう

相手の意見を変えるより、自分たちの価値観と、相手の価値観との間に共通項を探して結びつける方が簡単。

オリジナリティが強すぎると周囲に理解されずらいため、時には相手に合わせて共通項をもりこみ、構成しなおして表現する必要がある。

交渉役にはソフトでバランスの取れた人物が適任

対立が根深い組織同士を結び付ける場合、リーダー同士が歩み寄っても、それぞれのグループ内での対立が大きな障害となる。

その場合は、過激な意見をもつ人を話合いから外したうえで、交渉を行わないと失敗する。